2015年1月22日木曜日

「料理人なら知っておくべき“塩味”のコト 第4回(全4回)」

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 世界には食物に自然に含まれる以外の食塩を全く摂取していない人々がいます。これらの人々の間には高血圧の人がほとんど見られず、加齢とともに血圧が上昇することもないことが明らかになっています。




























世界各地で食塩摂取量と血圧を測定したところ、食塩摂取量が多い地域ほど平均血圧が高いという正の相関関係が見られます。

私たちの身体は、生理的には1日に1g程度の食塩があれば生きていけるといわれています。

先進国の多くでは実際の摂取量はその10倍以上。塩分を取りすぎると高血圧になるおそれがあると、日本はもちろん世界各国で1日の塩分摂取の目標値を設定し減塩を指導しています。


しかし、すべての人が食塩をとると血圧が上がり、減塩すると血圧が下がるというわけではありません。食塩の摂取量によって血圧が変動する、食塩感受性のある人と食塩感受性のない人がいることが分かっています。

ただし、食塩非感受性だからといって食塩を多くとっていいわけではありません。食塩は喉頭がんや胃がんに関係あると考えられており、がん予防のためにも食塩の摂取制限が勧告されています。







ストレスは食塩に対する欲求を高めるため、現代社会のストレスの多さも塩分摂取増の要因と考えられます。極端な減塩はそれ自体がストレスになってしまいます。

新鮮な旬の食材を使う、酸味やだしをきかせる、味付けにメリハリのある減塩を行うなど、おいしく減塩を続けることが大切です。


人よって適塩は異なります。QOLQuality of Life /生活の質)を高めるためにも、その人にあった塩の取り方で、豊かな食生活を送りたいものです。
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