2015年4月17日金曜日

春から学ぼう!“酸味”のコト 第2回(全5回)」

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 酢の主成分には酢酸、そのほかクエン酸やリンゴ酸、コハク酸、乳酸、酒石酸など多くの有機酸が含まれています。レモンや梅干しの主成分はクエン酸で、これらの有機酸類が独特のすっぱさ、酸味の正体です。












酢に最も多く含まれる酢酸は、酢酸菌によりアルコールが酸化されて生じます。酢は酒の歴史とともに誕生したといわれ、酒の原料になるような糖質を含んだ食品であれば、酢の醸造も可能です。英語のヴィネガー(vinegar)は、フランス語のビネーグル(vinaigre)が語源で、vinはワイン、aigreはすっぱい、つまり「お酒がすっぱくなったもの」という意味なのです。



世界各地にさまざまな酒があるように、それぞれの酒に対応して酢が発達しています。日本では米から作った米酢が一般的ですが、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガルなどワインの産地ではワインビネガーが、ールの本場イギリスやドイツでは麦芽汁から作るモルトビネガー(麦芽酢)が、アメリカではシードルビネガー(りんご酢)が中心です。 

 
日本では近年になって脚光を浴びるようになったバルサミコ酢は、ワインビネガーと同じくぶどうが原料ですが、濃縮果汁を用い数年の樽熟成によって生まれる独特のフルーティな芳香とまろやかな酸味や甘味が特徴です。













どの酢にも共通する主成分の酢酸は、揮発性がありそれ自体に香りがあります。さらに酢の原料となる食品の酢酸以外の有機酸やアミノ酸の含有量の違いにより、できあがった酢自体の風味は大きく異なってきます。それぞれの風味の特徴を生かして、料理によって使い分けられています。

酢は塩や砂糖と同じ基本調味料の1つですが、これらと大きく異なることは、特徴的な豊かな香りがあることです。



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